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実は基礎断熱工法に対するシロアリ被害の危険性は、昔からシロアリ研究者によって警告されていました。しかし、その忠告を無視したため、それが現在、実際の被害となって問題になっています。そもそも断熱材のように非常に軟らかい(木材に比べて)物質がシロアリの食害を受けないはずがありません。外基礎断熱では、断熱材の下部が土中に埋められており、シロアリを外敵や雨風にさらすことなく、安全なまま招き入れる状態になってしまいます。
しかも、断熱材は化粧モルタルに覆われているため、目視による早期発見もできませんし、断熱効果により過酷な季節でもシロアリは快適に過ごす事ができます。そのため、気付いた時にはかなりの被害が進行してるのです。 |
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基礎断熱工法(特に外基礎断熱)ではシロアリの侵入(蟻道)が確認できない為(化粧モルタルなどで覆われる)、目視・打診による調査だけでは不十分です。そのため、被害発見時の状況を施主に問診し、見えない部分を触って、確認する触診も有効な手段です。また、非破壊型シロアリ探知機「ターマトラック」を使用して家の外周を全てチェックする方法も行なわれています。反応の見られた箇所は地面を掘り、断熱材をカットしてシロアリの存在を確認します。被害の範囲を把握することが重要です。 |
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施工方法は薬剤の注入が基本となりますが、断熱材に薬剤を注入してもうまく浸透しません。そのため被害箇所に流し込む必要があります。しかし、通常の診断では、蟻道の場所がわかりません。そこでターマトラックを使用し、最も大きな反応の見られる場所(蟻道の可能性大)を穿孔して薬剤を注入します。この際使用する薬剤は、油剤や乳剤ではなく(断熱材が溶けてしまう恐れがある)、MC剤や水和剤・粒剤・粉剤などを使用します。施工後はしっかり点検と管理を行ない、経過を見ていきます。 |
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